Mo'xtra

公演中止のお知らせ

演劇サークル「Mo’xtra」では2020年9月30日(水)~10月5日(月)の日程でMo’xtra Archive『912・3R/5F/2F・ス』をAPOCシアターにて上演する予定でしたが、これを中止することに決定いたしました。

開催を心待ちにされていた皆さまには誠に申し訳なく思います。また、6月20日の情報公開から約一ヶ月で公演を中止する告知をすることになり、お客様の混乱を招いてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。

9月末に事態が鎮静化することを期待しての開催決定の告知でしたが、ここ半年の各国における感染状況の推移、7月に入ってからの都内における感染者数の増加、政府の諸々の対応を鑑みて決定させていただきました。

誰にとっても初めてのことで判断の難しい状況ではありますが、諸情報や諸意見、俳優たちとの話し合い、そして最終的には自分の判断で、9月末の段階で劇場における絶対の安全の保障はできないという結論に至りました。

また、新宿シアターモリエールで起こったクラスター感染により、演劇公演に対する世間の信頼が少なからず失墜したこと、それに対して同業者として「関係ない」、「自分たちは違う」というスタンスを取ることはできないとの判断もあります。

さらに、政府がGo To Travelキャンペーンを推進するに際し、今後東京都発着の旅行が対象になる可能性がゼロではないと感じ、感染対策を現状の想定よりさらに徹底させる必要があると考えました。なぜならこのキャンペーンは感染を拡大させる一面も当然あるからです。
しかしそうなった場合、この企画及び僕個人には、お客様・俳優・スタッフの安全を保障するに足りる資金や人材の確保が困難であり、Go To Eventキャンペーンの詳細も不透明である以上、政府と同じく後手に回るようなことは個人の主義としてできないと考えました。

今回「中止」という表現を使わせていただいたことにマイナスの意味はありません。もしまた同じような企画をやる際はさらに面白いことをプラスしてやりたいという意味も込めて、同じ形での「延期」ではなく「中止」という言い方をさせていただきました。

また、今回の座組のために書き直した版の脚本を販売したいと考えております。時期や販売の方法などの詳細は続報をお待ちください。


最後に。

どこでも観られる、いつでも観られる、完成したものを観られる、という意味では、演劇は映像作品に勝てないと僕は思います。同業者の中でも様々な意見があるので、あくまで僕個人の意見です。

僕にとって演劇は、何日も前から予定に組み込んで(もちろん直前に思い立ってもいい。それも楽しい)、その日一日が「観劇」という言葉に左右され、わざわざその場所に赴き、時間ぴったりに始まったり終わったりする保証もなく、そのステージによってどんなことが起こるか分からず常に不安定で、目の前に生の人間がいてその息遣いがあって、だからこそウキウキワクワクドキドキしながら瞬間瞬間の全てを劇場内の全員と分かち合うものです。劇場とは何が起こるか分からない、最高に最先端な場所です。二時間後に誰かの人生が変わっているかもしれない。そういう場所なんです。

でもその「不確定」は当然、絶対な「安全」の下に推進されなければならない。そこを履き違えてはならない。絶対にならない。絶対に絶対にならないんです。劇場は、健康を害する可能性に怯えながら訪れる場所ではない。胸を踊らせながら足を運ぶ場所です。不安定を楽しむ場であって、不安に襲われる場所ではない。

だから、今はやりません。いつかやります。楽しみに待っていてください。


須貝英




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